「全国書店員が選んだいちばん売りたい本!」書店員の投票だけで選ぶ本屋大賞の2022年国内小説部門で、『同志少女よ、敵を撃て』(逢坂冬馬 著)が大賞を受賞しました。第二次大戦時、ナチスドイツの侵攻によって始まった独ソ戦。多くの戦死者を出したソ連では、100万人を超える女性たちが看護師や軍医だけでなく、世界でも稀な最前線での兵士として従軍しました。主人公は、家族や仲間をドイツ兵に殺され、その復讐から女性狙撃兵となった少女セラフィマ。エンターテインメント性の高さ、構成の見事さは勿論、主人公の怒り、逡巡、慟哭、愛情を通して、戦争の「人間を悪魔にしていく性質」や、殺戮の場から日常へ回帰することの困難さが描かれています。いやぁ、素晴らしかった!
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