2015(平成27)年3月 

 私の母校であり、子どもたちも通っている三隅中学校では、昔の元服の年齢にあたる中学2年生が、志を立てる『立志式』という行事があります。暗い講堂で、蝋燭の灯りを掲げながら一人ひとりが自分の立てた志を述べる厳粛な式。私も中学生の時に経験しました。PTA特集第七弾は、立志式にあたり学校の広報紙に書きました一文を掲載します。





 ぶっちゃけた話をします。皆さんの立てられた志、それは本音ですか?「本音は違う」「実を言えば、毎日ゲームしたり、遊んだり、面白おかしく過ごしたい」と思う人もいたりして。先生や親の前では、そんなこと言えませんからね。でも、違うからいいのです。志と本音は違っていいのです。


 二刀流で有名なファイターズの大谷翔平選手は、高校時代の監督から「自分のやりたいことよりも、自分にとって大切なことをやろう」と指導されたそうです。
 なるほど、「やりたいこと」が自分を堕落させ、成長を阻害することは幾らでもあります。「大切なこと」を積み重ねてきたからこそ、大谷選手の活躍もあるのでしょう。「やりたいこと」と「大切なこと」は違うのです。


 志とは、自分を磨き、成長させる為のものです。まさしく「自分にとって大切なこと」だと言えるでしょう。先生や親の目を気にしながらでも、それを確認する作業は、人生において意味ある経験だと思います。
 本音よりも、大事なことがある。だからこそ、立志式は人生の重要な節目だと、私は考えています。■