2014(平成26)年3月 山口新聞『東流西流』

 
山口新聞『東流西流』の第二回目です。「これを言わねば、私がPTA会長になった意味がない」という思いで、書かせていただきました。





 中学校PTA会長を仰せつかり、先生と話すことが多くなりました。近頃は先生も大変です。私の住む地域はまだ良い方だそうですが、クレームにビクビクしながら仕事をしておられる方も多いとか。先生を泣かせたことを、自慢げに話す親がいるとも聞きます。
 私が初めてPTAに関わったのは小学校の広報委員でしたが、提案やお願いをすると身構える様な態度をされ、クレーマー扱いされていると傷つきました。しかし今思うと、先生の方が余程傷ついておられたのでしょう。まずはきちんと信頼関係を作ってからでないと、提案さえもできない時代になってしまいました。

 お釈迦様は「琴の糸は張りつめると切れてしまうし、ゆるめ過ぎると良い音はならない。丁度よい張り具合が大切なのだ」と譬えられていますが、今の先生は張りつめた糸のようです。こんな状況が子どもの教育に良いはずがありません。子どものために先生には、最高のパフォーマンスを発揮してもらわねばならないのですが、叩かれてばかりではできるはずもないでしょう。

 確かに文句を言いたい時もあれば、言わねばならない時もあります。でも、大きな声で文句を言うなら、大きな声でお礼も言うべきでしょう。
 先生を感情のはけ口にしても、子どもたちのためには決してならないのです。■