2008(平成20)年12月号 



  今年は、エドはるみの「あなたもグー、私もグー」というギャグが流行りましたね。三歳の娘も、TVにエドはるみが出ると、踊りながら叫んでいます。
 考えてみると、結構良い言葉ですね。人の悪い部分というのは、よく見えますし、いくらでも指摘できます。勿論それは、すごく大切なことです。指摘でしか気づけないものも、たくさんあります(指摘し合わずに、流されてしまうことで取り返しのつかないことになってしまうことは、年金問題や偽装問題からも教えられます) 。

 ただ近頃は、指摘がそのまま、相手を見下すような悪口になっている場合も多く見受けられます。やはり指摘とは、お互いが信頼や敬意を持たなければ、成り立ちにくいのかもしれません。

 「あなたもグー、私もグー」とは、お互いに讃え合う言葉です。これって、素敵ではありませんか。人の良い部分に気づくのは、難しいことです。でも、お互いに讃え合うことができたなら、もっとこの世の中が豊かになるのではないでしょうか。

「誰にも負けることができる人は、天下無敵だ」という言葉があります。無敵というのは、誰にも負けない力を持っているということではありません。現に、アメリカは世界で一番の軍事力を誇りますが、世界中敵だらけ。
  逆に、誰からも良いところ、学ぶべきところを見出し、頭を下げることができる人は、敵がいない、いや敵ができないという意味の言葉です。そういう素晴らしさを見出す心の眼を育てて下さるのが、仏法なのです。


  だからといって、大切なことを指摘してくれる人を鬱陶しく思うことはいけませんよね。迷っている私の姿に気づく心の眼を育てて下さるのも、仏法なのですから。 ■