2015(平成27) 4月号)  
 
 
 
 
 

皆さん、NHK大河ドラマ『花燃ゆ』、ご覧になられてますか?視聴率が低迷しているようで、私は心配で夜も眠れません。(というのは、大げさですが。)

さて、極楽寺にゆかりの主人公の姉・寿さん(優香さんが演じておられます)。健気な文さんとは対照的に、嫌な役で出てきましたね。トラブルメーカーの兄・松陰を、温かく見守る家族の中で、唯一ストレートに文句を言う、気が強い女性に描かれています。
 実際に、松陰から「褊癖の気あり」(せっかちで、ひねくれている)と指摘された手紙も残っていますし、「烈婦」「丈夫の如し」という評価がされていますから、気の強い女性だったのでしょう。
  しかしこれは、ドラマのプロデューサー土屋さんが極楽寺に来られた時、既に言われていたことなのですが、「最初寿さんは嫌な役で出てきて、それからだんだん成長していく。その姉妹の成長も描いていくんだ」と。ですから、これからに期待したいと思っています。

 

さて、極楽寺に伝わっている寿さんの書には、熱心な念仏者であった寿さんが、仏法を聞いて心に残った歌が記されています。心に残った歌ですから、寿さんが作られたものではありません。法座の中で聞いたり、共に聴聞する仲間(御同行)の中で、伝えられたものです。その中に、

「かんしゃくは、持って生れし鈴の玉 当りさわりに鳴るぞ悲しき」

とあります。気の強いと言われた寿さんの、心に残りそうな歌ですよね。私が持って生れたかんしゃく玉は、鈴のように、人に当っては鳴ってしまう。それが悲しいと。ところが、この歌の後に、

「その中に、他力の信の玉いれて、また鳴り戻る弥陀の称名」

と続きます。

他力の信というのは、阿弥陀様からいただいた心ということです。癇癪玉の代りに、阿弥陀様の心をいただく。すると今度は、「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」と、弥陀の称名、お念仏が出てくる。

 

親鸞聖人は、お念仏は私が称えた念仏ではあるけれども、阿弥陀様からの呼び声であると受け止めなさいと教えて下さいました。つまり、阿弥陀様の心をいただいて、お念仏称えたら、そこに阿弥陀様からの呼び声が聞こえてくる。「また、癇癪をおこしていないか?」「大切なことを、見失ってはいないか?」と、阿弥陀様の心が、思い出されてくる。その呼び声に、寿さんは育てられたのですね。そして、少しずつ少しずつ、お育てをいただいて、成長していかれたのです。昔の人たちは、こうやって、お念仏に育てられたのです。

 

 NHKのドラマですから、どこまで描かれるのかはわかりませんが、お念仏に育てられた寿さんが、どのように成長されるのか。楽しみにしましょう。それにしても、とても見応えのあるドラマですから、もう少し視聴率があがってもいいと思うのですが。■