2014(平成26)年3月
山口新聞『東流西流』








 先日中学校で、保護者対象携帯アプリ「LINE」の講習会がありました。考えてみれば、携帯やネットのトラブルの責任は、先生にはありません。持たせる、管理する、すべて親の責任です。ところがトラブルがあれば、対応は学校がしなくてはならないのが現状だとか。先生は生徒を見放せませんから、講習会までして下さるのです。せめて感謝し、思いを受け止めなければ、先生方に失礼です。

 便利さとは、反面怖ろしいものです。一昔前は噂話や陰口をしても井戸端会議で済みましたが、今はネットや携帯でどこまでも広がっていきます。軽い気持ちが人を傷つけ、時には殺すほど大きな毒に変わる。それが便利さの裏にあるものです。こんなに大きな力を持つ道具を与えることに、私たちは無関心で良いのでしょうか。責任者は私たち親なのですから。

 些細なことが取り返しのつかなくなるネットのトラブルは、早い対応が不可欠です。しかし親に相談せず傷を深くしてしまう子どもがいるのだとか。その理由は「どうせ怒るだけで無関心。頼りにはならない。」という親への不信感だと講習会で教えられました。私は子どもに信頼されているのだろうか。思わず冷や汗が出ました。