東日本大震災が起きた時、ある地区が孤立したそうです。
 わずかな水と食料を分け合いながら救助を待つ極限状態。そこにはお年寄りや子どもたちも避難していました。サバイバルな状況で、さぞや足手まといに・・・と思う人もおられるのでは。
 しかし、リーダー役を果たした方は「いや、いてくれて助かった。いなかったら僕たちは生き延びることができなかった。」と言われたのだとか。取り残された中ではストレスが溜まる。イライラし険悪になり対立も起こる。何度も深刻な危機があったと言います。

 そんな時、子どもたちが走り回って笑ったり、お年寄りののんびりした一言があると、緊迫した空気に水が差され、ホッと和む。我に返り、地に足が着く。だからこそ、生き延びることができたのだと。

 人を罵り差別発言を繰り返す人が、一国の指導者に選ばれるほど、不満と対立が渦巻く時代です。険悪な空気の中で、誰もが生き残ろうと強さや力を求めています。正義を振りかざすことが、却って対立を煽るようにも感じられます。
 だからこそ、水を差す、地に足を着ける、我に立ち返らせて下さる他者の存在が必要なのでしょう。私の思いを超えたところから聞こえてくる、私の枠組みを揺さぶる声に耳を傾ける。そんな一年にしたいと思います。今こそ正念場。今年もよろしくお願いします。■