「H-1法話グランプリ」という大会があります。宗派を超えた若手僧侶が、法話を共演するこの大会。審査基準は内容の優劣ではなく、「もう一度会いたい!」と思う僧侶に投票するというものです。2021年のグランプリは、融通念仏宗の関本和弘さんでした。関本さんは「当り前に使う言葉が人を傷つける」と配慮しながら法話を語り、それでも傷つけたのではないかと心配されます。(『ひと』毎日新聞2021.11.16)当然のことのようですが、様々な人の立場思いやり言葉を紡ぐのは、難しいことです。そのことに正面から向きあう姿勢に大きな学びをいただき、「この人に会いたい!」という思いを持ちました。 言葉によって、人は救われます。同時に、言葉が人を追い詰め、殺すこともあります。ならば、私はどんな言葉を語っているのかを、常に意識しなくてはなりません。気をつけても、未熟さ故に配慮が足りないこともあるのですから、言葉への責任と、謝罪や反省の覚悟も必要。僧侶として、襟を正さねばと思ったことでした。 昨年は、いやこれまでも、数多くの人を傷つける言葉を吐いてきたことだと思います。深くお詫びすると共に、言葉を磨き、学びを深める一年にしたいと思います。「もう一度会いたい!」と思ってもらえる僧侶には程遠い私ですが、少しでも近づけるように。今年もよろしくお願いします。