今年は、「批判」にこだわりたいと思います。こんなことを書くと「否定的なことや、悪口を言うつもりか?」と思われるかもしれませんが、そうではありません。私は「批判」と「否定」「悪口」は違うと考えているのです。「批判は創造的、否定は破壊的」と言われた方がありますが、これが私には最も腑に落ちた表現でした。より良いものを創るには、様々な視点が不可欠。自分の思い込みだけでは、偏ってしまいます。それが耳に痛いものであっても、より良くなるのなら有り難い指摘。そんな創造的な意見を「批判」と言うのだと。それに対して「否定」は、相手の思いや事情を無視した、一方的な価値観の押し付けです。破壊的であり、まさに「悪口」です。ところがこの「批判」と「否定」は、線引きが難しいのです。批判を否定として受け止めたり、自分は批判しているつもりが否定的な押しつけになっていたり…。使う言葉を吟味する。相手の事情を考慮する。自分の意見は創造的なのかとチェックする。そんな習慣を身につけたいものです。何より、否定的に聞こえてもより良いものになるのであれば、その意見を受け容れる態度を養うことも。そんな営みを総じて「聞く」ということだと、私は考えています。「聞く」姿勢こそが、豊かな人生を創造することに不可欠なのだということも。今年もよろしくお願いいたします。■