2015.12.14


  
『花燃ゆ』放送終了!



  NHK大河ドラマ『花燃ゆ』全50回が、12月13日をもって終了しました。振り返れば、貴重な経験と出遇いをいただいた一年だったと思います。
 さて、その中でも特に感じたことを一つあげますと、ドラマはあくまでもドラマだということです。
 「史実とは違う」という声もよく聞きますが、やはり製作側としては主人公を魅力的にしなくてはなりませんし、わかり易く整理しなくては、視聴率もあがりません。そこには、必ず取捨選択が生まれます。捨てられた部分に思い入れがある方は、不満な思いをされるのは仕方がありません(私も、残念な思いでいっぱいです)。

 司馬遼太郎の名作『竜馬がゆく』も、主人公を魅力的にするために、薩長同盟や大政奉還等すべて竜馬の手柄にしています 。でもそれは、あくまでも小説であり、司馬さんの竜馬観です。
 ちなみに、この小説での楫取素彦の扱いは、かなり寂しいものがありますが、それも司馬さんの角度からの見方。様々な立場や価値観があるわけで、それぞれの角度から見れば、一人の人間の人生も違ったものに見えるのは当り前。それを鵜呑みにする態度が問題なのでしょう。

 これは、ドラマや小説に限らず、報道にも言えます。ニュースも、記者や新聞社・TV局の立ち位置から見えたものでしかないわけですから、事実ではあっても真実ではありません。そこから「なぜこのように切り取ったのか」「こっちの立場の人たちの思いは、なぜ伝えられないのか」と、こちら側が深く読み取らなければなりません。
 主観を通して切り取られたもの、切り捨てられたものを思い浮かべていく。その営みが、大切なのだと思います。

 何やら違った方向に話が飛んでしまったようですが、様々なことを考えさせられ、学びが深まるご縁をいただきました。
 と言いながら、もう少し寿さんが全編にわたって活躍しても…と思っている私のいじましさをも、改めて教えられています。■