2018(平成30)年11月


 

❏広島カープがセリーグ三連覇を果たしました。長らく低迷していたことに慣れてしまったからなのか、「こんなにうまくいって、良いんだろうか」と戸惑う気持ちでいる、今日この頃です。❏ カープが強くなったのは、2015年に黒田博樹投手、新井貴浩選手が、帰ってきたことが大きかったようです。「あれほどの実績を残したベテラン選手が、誰よりも懸命に練習に取り組んでいた。それで、自分を含めた若い選手が手を抜けなくなって、チームがひとつになれた」と、野村祐輔投手は語ります。四番バッターの鈴木誠也選手は、新井選手に対して「自分を犠牲にしてでも1点を取りに行く姿勢はすごい。チームプレーを本当に大事にしている」「あんな人を間近で見ることができたのは、自分の野球人生で大きいことだった」と感謝していました。自分の生き方や、枠組みを変えるほどの、素晴らしい出遇いだったのでしょう。❏ ある人から、「〝人の背中から学ぶ〟と言うが、現実はそう簡単にはいかない。それは、尊敬せずにはいられない背中を見せてくれる先輩と、そこから学ぼうとする向学心の高い謙虚な後輩が二人揃って可能になること。ある意味、奇跡の出遇いではないか」と教えられました。確かに素晴らしい先輩がいても、学ぼうとする後輩がいなければ、出遇いは成り立ちません。❏ 黒田投手に続き、今年は新井選手も引退します。しかし、彼らの背中から学ぼうとしてきた頼もしい後輩たちは、来年以降も活躍してくれることと思います。そして私自身も、学ぼうとする姿勢を持たねばならないと思うのです。そうでなければ、素晴らしい出遇いを見落としてしまいそうで。■
 




 2018年8月
 2018年12月