2023(令和5)年3月


 

❏ お取越し、前住職の往生、密葬、門徒葬、そして中陰の法事と、本当に慌ただしい年末年始でした。皆様からかけられる温かい言葉に、慰められ、励まされ、感動する日々でもありました。本当に、有り難うございました。❏ 日が経つごとに少しずつ落ち着きを取り戻してはいますが、そんな折りに「次第、次第にお寂しくなりますね」と言葉をかけられ、またまたジーンとしています。慌ただしさがひと段落すると同時に、今度はしみじみと悲しみが味わわれてくる。そんな遺族の心情を思いやる言葉が、挨拶として定着しているって、本当に凄いなぁとも思います。ところが、近頃は「いつまで引きずっているんだ」「早く切り替えろ」と言わんばかりに、スピードばかりが求められる時代です。でも、大切な人を失ったから悲しいんですよね。それを悲しむなと言うことは、「大切な人を大切に思うな」ということと同じではないですか。❏ タイパ(タイムパフォーマンス かけた時間に対する効果)という言葉が流行っているように、効率的、合理的な考えが主流の時代ですが、人間って本来、複雑で面倒くさくて、ややこしいものだと思うのです。スピードばかりを追及していくと、他者の人間性だけではなく、自分の人間性までをも見失ってしまうような気がしています。ゆっくりと悲しみを味わう時間を大切にしていこうと思っている、今日この頃です。■





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