皆さんは、東京スカイツリーに行かれたことはありますか? 私は昨年ご縁があり、登ってきました。その大きさにも圧倒されましたが、地上350mの展望デッキまで約50秒で運んでくれるエレベーターの、静かで快適なこと!
驚くばかりです。
スカイツリーに、あったもの
さて、東京スカイツリーの入り口フロアには、ツリーの基本理念をあらわした様々なオブジェが展示されています。その中のひとつに、「日本と世界を結ぶ新たな文化を咲かせる」という想いを、日本伝承の飾り結びで表現されたものがあります。その飾り結びは、浄土真宗のお坊さんなら見覚えある形。実はこれ、葬儀や大きな法要の際に住職が着る、七条袈裟につける組み紐、「修多羅」そのものなのです。
この組み紐を、装飾として袈裟に垂らす風習は、中国から起こったものだと言われます。「修多羅」とは、元々インドのサンスクリット語スートラの読みに漢字を当てはめたもの(当て字ですね)。意味は、縦糸です。どうしてこの組み紐を「修多羅」と呼ぶのかについては定かではありませんが(縦に垂らす糸だからでしょうか)、「修多羅」という言葉には、もう一つ意味があります。それは仏様のみ教え、仏法という意味です。ではなぜ、縦糸が仏法をあらわすのでしょう。実はそれが、今回のテーマでもあるのです。
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