「天下無敵」の意味を辞書で調べると、「世の中に並ぶものがないほど優れていること」とあります。これは普通、「すべての敵を倒せるほどの力を持つ」ことだと受け取られているのではないでしょうか。しかし、大きな力があれば敵がなくなるかというと、そうはいかないのが難しいところです。
近頃の政治家には、わざわざ敵を想定し、煽り、自慢の話術で一刀両断することで、ストレスを抱えた庶民の溜飲を下げ、人気を高めるという手法をとる方もあります。しかし、傷口が縫えないほどの切れ味の良い口調で、非情な批判を受けた側には、もはや怨念しか残りません。そこから「共に力を合わせて」とか、「お互いさま」などと言った関係など生まれるはずもないでしょう。だから失言でもすれば、容赦のない反撃にあうのです。私たちも、誰かが切り捨てられることを拍手喝采する前に、それが問題を深刻にしていることに気づかねばなりません。
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