6月11日。2015(平成25)年の大河ドラマ『花燃ゆ』の新たな出演者が発表されました。
主人公・文を演じるのは、井上真央さん。そして文の姉・寿子の夫であり、後に文と結婚することになる小田村伊之助(楫取素彦)を演じるのは、大沢たかおさん。この二人は既に決定していたのですが、いよいよそれ以外のキャストが明らかになったのであります。
今回発表されたのは、文の兄であり伊之助の親友・吉田松陰と、文の最初の夫・久坂玄瑞。そして、松下村塾で久坂と並び評された天才・高杉晋作の三人です。
吉田松陰を演じるのは、実力派俳優・伊勢谷友介さん。伊勢谷さんは大河ドラマ『龍馬伝』では高杉晋作を演じられましたが、今回は師の松陰役に。大河では、山口ゆかりの方に縁があるようです。
続いて高杉晋作を演じるのは、これまた若手実力派俳優・高良健吾さん。井上真央さんとは、NHK朝の連ドラ『おひさま』で夫婦役だったそうですね。私は連ドラを見ないので、その印象はあまりないのですが、私のイメージといえば、若松孝二監督の遺作『千年の愉楽』の中本半蔵。この人は、狂気と苦悩を抱えた人間を演じるのが本当にうまい。高杉には、ピッタリかも。これは、伊勢谷さんにも通じるところがあるように思えますので、二人の共演も楽しみです。
そして最後に、文の夫・久坂玄瑞を演じるのは、東出昌大さん。ご存知、先の朝の連ドラ『ごちそうさん』でブレイクした方です。ファッション雑誌『メンズノンノ』のモデル出身といえば、大沢たかおさんとの共通点(私の大学時代に創刊号が発売された雑誌です。阿部寛が表紙でしたね。何年か買い続けていましたよ)。
久坂玄瑞は、当時としては珍しい180cm以上の長身で男前だったとか。東出さんも189cmのイケメンです。
久坂玄瑞と文さんの結婚については、司馬遼太郎がこんな話を書いています。
「松陰は久坂玄瑞という青年を珠玉のようにおもっている。玄瑞をいっそ自分の義弟にしたかった。となると、末妹のお文をかれにやることであった。/久坂は、このときほど師の松陰というひとに当惑したことがない。かれはお文という小娘をよく知っている。/久坂は災害に遭ったような、わが身を不幸に思った。
しかし、久坂が尊敬するこの塾の先輩に口羽覚蔵という、いかにも田舎のおやじといった顔つきの人物がいる。/口羽は、久坂がお文が美人でないためにためらっているのを見て、「はずかしいとおもわないか」と、めずらしく怒りをうかべ、君はアレか、色をもって妻をきめるのか、といった。
久坂は憤然としてソウデハアリマセンと言い、いった以上あっさりと兜をぬぎ、すぐ松陰のもとにまかり出て、妹君をいただきとうございます、と畳にひたいをこすりつけて懇望した。」(『世に棲む日日』(二) 司馬遼太郎)
大河ドラマとは、全く違うお話がここに。これは結構有名な話だそうですが、司馬遼太郎は『龍馬がゆく』(六)でも小田村伊之助を小物扱いにしていますから、あまりこういうのを出すと大河のイメージが崩れてしまうかもしれませんね。
さて、今回決まった三人とも、かなりのイケメン揃いです。NHKの制作統括土屋勝裕氏は、「これからも続々とイケメンを登場させます」と断言されたとか。
では、そのイケメンに囲まれる文の姉であり、当山極楽寺ともご縁の深い寿子さんは、いったい誰が演じられるのでしょう。私としては、そこが一番気になるのですが・・・。■
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