2017(平成29)年8月


 

❏五月三十一日、京都・西本願寺で厳修されておりました、『伝灯奉告法要』(新しいご門主様の代がわりの法要)が、ご満座を迎えました。「伝灯」まさに、灯火を受け継ぐように、仏法は受け継がれてきたのでしょう。人生を導いて下さる灯火を、大切に大切に守り伝えてこられた歴史があるからこそ、今私のところに教えが届けられてあるのです。だからこそ、この灯火を、絶やさずに伝えていかねばなりません。❏三隅地区では、四月に伝灯奉告法要に参拝しました。そのまま、北陸へ旅して帰ってきたのですが、私が印象に残ったのは、金沢の「鈴木大拙記念館」です。鈴木大拙は、世界的に禅を広めた世界的な仏教哲学者で、浄土真宗との関わりも深い方です。❏さて金沢でゲットしたのは、大拙の墨書の絵葉書。そこには「O wonderful, Wonderful,and most wonderful wonderful! and yet again wonderful」とありました。これはシェイクスピアの「お気にめすまま」の中のセリフで、「ああ、驚いた、驚いた、こんなに驚いたことはないくらい驚いた!それでもまだおどろきたりない…」という意味です。❏まさに仏教の神髄とは、「驚き」なのでしょう。「驚く」とは、新たな感動と共に、これまでの自らのものの見方、考え方の小ささに気づかされることです。世界はもっと深く、もっと豊かである。そのことに驚きと感動をもって接していく。世界を小さく決めつけない。いや、決めつけようとする私を揺さぶり、導くはたらきを、仏法というのだと教えられました。きちんと受け止め、守り伝えねばならないと思うことです。■
 




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