2017(平成29)年6月 |
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❏長門市・村田清風記念館の展示リニューアルに携わり、スーパーハードな日々を送っています。とはいえ、歴史には素人なので、専門分野の方々にお世話になっているのですが。❏先日、山口大学の歴史の先生を訪ねたときのこと。研究室がある人文学部棟へ向かう際、「人文学部」の看板に「Faculty of Humanities」と書き添えられていたことに気づき、ハッとなりました。「人文学部」とは「人間学(the humanities)」を学ぶ学部なのですね。つまり文学、言語学、哲学、宗教学、歴史学、美学などの様々な分野から「人間を学ぶ」場なのです。❏近頃は「役に立つ学問」(=お金儲けにつながる学問)ばかりが奨励され、「人文学部はいらない」と言い切る人もおられるようです。しかし、人間とはどんなことに喜びや悲しみを感じ、感動し、どんな失敗をしたかという「人間」の深みがわからなかったら、幾らお金を儲けても使い道を誤ってしまうのではないでしょうか。❏映画監督の今村昌平さんは、自らが設立した映画学校の理念を「人間とは、かくも汚濁にまみれているものか、人間とはかくもピュアなるものか、何とうさんくさいものか、何と助平なものか、何と優しいものか、何と弱弱しいものか、人間とは何と滑稽なものかを、真剣に問い、総じて人間とは何と面白いものかを知って欲しい。」と言われています。続けて「そしてこれを問う己は一体何なのかと反問して欲しい。」と。この視点が見失われる時、他人も自分も、金儲けの手段や道具にしか扱わない、寒々とした世の中になるのではないでしょうか。いや、既になっていたりして。❏先人の営み、取組み、間違い、喜びを学ぶ場として、歴史文化を継承していく一助になればと思いながら、清風記念館の展示に頭を悩ませている今日この頃です。■ |
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