2024(令和6)年3月


 

❑今年から、長門市の調停委員を拝命しました。調停委員とは、私人間での紛争を解決するために、中立の第三者として仲介し、互いの合意を成立させるための役職です。私なんかが…という思いもありましたが、前住職も勤めていたこともあって、引き受けることにしたのです。精一杯勤めるしかないと、身を引き締めております。❑しかし、第三者という存在って大切ですね。当事者になると、どうしても視野が狭くなり、感情的になってしまいます。私など、その典型のような人間です。ところがそこに、場を落ち着かせる人がいると、雰囲気は確実に変わります。その場の空気に水を差し、血が上っていた頭をクールダウンさせるような一言で、私はどれほど助けられてきたか。そのまま感情的になっていたら、後々まで引きずる深い傷跡を残しかねなかった。そんなところを、幾度も救っていただきました。そんな〝良き第三者〟が側にいてくださることに深く感謝しています。❑でも近頃は、クールダウンさせるどころか、逆に煽り立て、場を荒らし、問題をややこしくする第三者も、数多く見受けられます。そういう人に限って、後々の後片付けなど考えず、正義・正論を振りかざし、目先の感情で吠え立てる。ネットやSNSの書き込み、テレビのコメンテーターの発言なんて、その典型のようなもの。本当に解決する気があるとは思えません。❑調停委員という大役をいただくにあたり、〝良き第三者〟となれるよう、気を付けねば。そんなことを思う、今日この頃です。■





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