2023(令和5)年11月


 

❏ また、やってしまいました…。三隅地区へ配布した「三隅親鸞聖人鑚仰会法会」のチラシ、日程を間違えて配布してしまいました。慌てて、訂正したものを再配布し、事なきを得ましたが、皆様にも、重ねて手を煩わせた世話人の方々にも、ご迷惑をおかけしました。❏ 配布後すぐに、多くの方から「間違ってるよ」とご指摘をいただきました。指摘されるって、有り難いことですね。間違えたままの方がダメージは大きいし、早く気づけば早く対応することもできますから。❏ 先日、小中学校の先生方と話す機会があり、「近頃は失敗を恐れている子が、本当に多い」と伺いました。でも、失敗を恐れていたら何もできませんし、人からの指摘やアドバイスも聞けなくなってしまいます。失敗することで、改善点が見つかり、軌道修正できる。学びが生まれ、経験につながり、対応能力も上がる。それは、失敗を繰り返してきた私が、自信をもって語れるところです。❏ 『失敗の科学』(マシュー・サイド著)という本で、こんな話が紹介されています。ある陶芸クラスで、実験が行われました。どれだけたくさん作れるかという「量」で成績を評価するグループと、どれだけ良い作品が作れるかという「質」で評価するグループに分けたのです。その結果、全作品中一番「質」の高い作品を出したのは…、「量」のグルーブでした。つまり「量」のグルーブは、数多く作ることで、試行錯誤を重ね、粘土の扱いも上手くなった。それに対して「質」のグループは、最初から完璧なものを作ろうと、構想に時間をかけすぎて、残ったのは壮大な理論と粘土の塊だけでした。頭でいくら考えても、身体を使って経験した、失敗からの学びにはかなわない。「すばらしいミュージシャンになるために、まずひどい曲をたくさん演奏しよう!」「強いテニスプレーヤーになるために、まずたくさん試合に負けよう!」こんなポリシーを薦める心理学者もいるのだとか。失敗を恐れる子どもたちに、このメッセージを伝えるためにも、私たち大人が失敗と向き合い、学ぶ姿勢を見せなくてはと思っています。❏ いや、言い訳を書き連ねているわけではないのです。失敗の後のふるまいこそが、重要だと思っているのです。生きている限り、失敗はつきもの。ならば、失敗から何を学び、どうふるまうかを考えるべきでしょう。指摘を受け容れ、感謝できるオープンな態度は、自分の愚かさに向き合うことで育てられます。これこそ、今の子どもたちに最も必要なものであり、今の大人たちが見失ったものではないでしょうか。私はこれを、親鸞聖人の「愚者」の歩みから教えられています。■





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